「放流で魚が減る」をクリティカルに考えよう。

本日の日経新聞のサイエンスに面白い記事が掲載されていました。

「魚を放流すると生態系のバランスが崩れ、かえって魚の数や種類を減らしてしうまう」という分析結果をまとめた論文を北海道大学が発表し、話題になっているそうです。(※北海道立総合研究機構と米ノースカロライナ大学グリーンズボロ校も参加した日米の研究チームが調査分析)

 

さて、記事中でも

  • 北大の成果を聞いた研究者には驚きはなかったようだ。
  • 論文が出た今でこそ放流の課題は当たり前に感じる。それでも国が放流事業を推進するのは、漁獲量を増やせると考えるからだ。

日経新聞(遠藤智之)より引用

 

とあるように、「生態系のバランス」という視点で考えると過剰な放流がこのような結果になることは想定内であったように思います。

それなのに、人間はどうしてこのようなことを行なってしまうのでしょう?

記事では深くは書かれていませんが、色々な立場の人がいて、色々な思惑があって、色々な力が働いていることが予想されますね。

川の水の中だけの話でもなくて、山の話、農業や開発の話、地球環境の変動の話など、もっと広い視点からの議論が必要なはずです。

国内外の政治、外交、経済や地政学的な意見との対立も予想できます。

人と社会を理解した上で、知識やテクノロジーを役立てるというリベラルアーツを学ぶ理由がこういったところにあると感じています。

一人の力で全ての課題を解決することはできないかもしれませんが、まずは自分一人からでも、広い視点でも物事を捉え、考え、そして行動する。

国境も越え、そんな人たちが集まり、協力して課題解決のアイデアを出し、主体的に楽しみながら生きていく。

微力ながら、そんなことを目指して「のびてく」で子どもたちと接しています。

 

【探究課題の例】

この課題も上記の記事と同じく、広い視点、深い考察を学ぶことができます。

オオカミ再導入を考える。(豊かな森と生態系の回復を目指して)

 

Nobi

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