人文科学

オノマトペを通して読解力を高めよう!

オノマトペとは自然界の音・声、物事の状態や動きなどを音(おん)で象徴的に表した語で、擬音語、擬声語、擬態語などがあります。

一見、泣き声などを表しただけだと思われるオノマトペですが、実は奥深いのです。例えば、「ぐん」と「ぐんぐん」と「ぐーーん」は何かが伸びる様を表すオノマトペで、すごく似ているように感じますが、「時間」という視点を入れてみるとどうでしょうか?一気に伸びる瞬間的な場面を表現したいのか、それとも伸び続ける様を伝えたいのか・・・。

書き手は前後の文脈と合わせて、言葉を選択しているのです。

今回は、そんな「実は奥深い」オノマトペに注目することで、物語に横たわる世界観を感じ取り、文章全体を読解する力を養っていきます。

観察のテーマ

観察テーマ
備考
身近なオノマトペを探す(擬音語)
10個
身近なオノマトペを探す(擬態語)
10個
身近なオノマトペを探す(擬声語)
10個

学習の手順

1

課題1:オノマトペをじっくり探し、感じる。

2

課題2:商品のキャチコピーをオノマトペを使って作ってみる。

3

課題3:指定の物語をオノマトペに注目しつつ読み込み、深く読解する。

4

自分なりの発見や納得を、自分なりの形でまとめ、発表する。

深め・広げ・つなげる スローラーニングのポイント

1

使われている状況、場面、場所などに注目する。

2

五感を使い、語感を養う。

3

物語の流れ(事実)を追うだけで分かったつもりにならず、世界観までを含めて生々しく再現(映像化)する。

ひとこと

日本語は他の言語理比べて動詞が少ない分、オノマトペが発達したと言われているそうです。長々と説明的な文章を書かずとも、そのものの質感などを生々しく伝えることができるなど、日本的な表現の豊かさにつながります。これは表現として優れた側面でしょう。その一方、受け取る側の感性に左右されてしまうといった側面も持ち合わせていますので、「読解力」の側面で見るとオノマトペへの感度は軽視できないものでもあります。

文章を読み、頭の中で生々しく再現することを映像化と言いますが、どれだけ豊かに映像化できるかの力が「読解力」です。

言葉(単語)が集まり文章が形成されていきますが、部分と全体がうまく調和された文章を読み込み、その世界に浸るのは楽しく幸せなことです。

文章に書かれた事実や出来事を追うだけで「分かった」と言ってしまうのではなく、何故そこに至ったのか、そういうことを状況やちょっとした仕草、言葉から読み取っていくことを丁寧に行なっていきましょう。

そのように感じながら読むと、これまでとは全く違った情景が見えてくるはずです。

★teku先生のポスト

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