「のびてく」で身に付くアナロジー思考について

ムール貝に学ぶ水中接着剤

~東大チーム開発 既製品の2倍強度強く~

これは4/24(日)の日経新聞に掲載されていたバイオミメティクスに関する記事です。

2019年に北海道大学からも同様の研究が発表されているようですね。

海水中で繰り返し使用できる接着剤を開発 ~海洋付着生物「イガイ」に学んだモノづくり~

 

バイオミメティクス(生物模倣)とは

バイオミメティクス(英: biomimetics)とは、「生物の構造や機能、生産プロセスを観察、分析し、そこから着想を得て新しい技術の開発や物造りに活かす科学技術」の意。用語としては、1950年代にアメリカ合衆国の神経生理学者オットー・シュミット(英語版)が初めて使用した。
日本語表記としては生物模倣技術、生物模倣と呼ばれることもある。SPEEDOがサメの肌の特徴を模倣することで水の抵抗を低減した水着「ファーストスキン」を開発したことや、関西大学システム理工学部の教授である青柳誠司が蚊を模倣して痛みの少ない注射針「マイクロニードル」を開発したような事例が、バイオミメティクスの例と言える。
サイエンスライターのジャニン・ベニュス(英語版)は、バイオミメティクスの考え方を拡張し、環境問題の解決と生態系の保全を加えたより大きな概念としてバイオミミクリー(英: biomimicry)を1997年に『自然と生体に学ぶバイオミミクリー』で提唱している。

引用:wikipedia

 

例えば、500系新幹線電車では

  • 高速域でのパンタグラフからの騒音問題:フクロウの静穏飛翔の原理で解消
  • トンネル微気圧波対策:先頭形状はカワセミの嘴から頭部に掛けての形状、車体断面は鳥類の胴体断面である円形に近づけて解消

というように活用されています。

他にも、カタツムリの殻、サメの肌、蓮の葉、蜘蛛の糸、ヤモリの足、カミキリムシの顎、アホウドリの羽、蚊の針…etc、数えきれないほどの事例で溢れています。

どれもものすごく面白くて感心することばかりなので、ぜひWeb検索して探してみてください。

 

アナロジー思考とは

バイオミメティクス製品開発の考え方やプロセスなどが ISO 18457 に記載されています。(フレームワークが提供されています。)

バイオミメティクスを取り巻く課題

 

子どもたちを教育するにあたって、今回この中で注目して頂きたいのが「アナロジー」の部分です。

以下の図は提供されている資料からの引用です。

アナロジー思考

アナロジー(思考)

 

アナロジー思考(類推思考)とは、一見異なるように見える物事の間にある共通点を見出し、課題に応用する思考法のことです。

バイオミメティクスのようなクリエイティブな発想の中核になるものだといえるものだと思います。

そして、バイオミメティクスに限らず、共通項に着目することで、ものごとの本質や真理、言いかえれば構造や原理が見えてきます。

「のびてく」がお子様との個別のセッション(アクティブラーニング形式)において最も意識しているのが、このアナロジー思考を鍛えることです。

自然や生き物や芸術など関する「五感をつかった身近な探究学習」を題材として学習をすすめているのも、これが理由となります。

※いきなり背伸びさせて、社会的な課題の解決といった探究学習を勧めることはありません。

 

アナロジー思考の視点から、子どもたちの探究学習の進め方を整理する

 

探究とは

  • 物事の意義・本質などをさぐって見きわめようとすること。
  • 知識を論証すること、疑念を解消すること、ないしは問題解決をすることという目的のある思考過程のことである。

 

先ほどバイオミメティクスの例から、探究や研究の最終的な成果(結果)は基本となる原理の理解や知識があってこそ成り立っていることが分かります。

ちなみに、接着の原理は、

  1. 機械的結合
  2. 化学的相互作用
  3. 物理的相互作用(ファンデルワールス力)

の3つに大別できます。

こういった基盤となる原理を構造的に正しく理解することが、より鋭い観察力や類推力(アナロジー)を生みだすことにつながるのです。

知識も着目意識も持たずに漠然と観察しても、なかなか有効な気付きを得ることは難しいはずです。

 

では、スタート地点である、知識が豊富でない幼少期にはどうすればよいのでしょうか?

それは

感じる(気付く) →  知識習得 → 思考 → 理解 → 感じる(気付く)→ 知識習得 → 思考 → 理解 →  …

と、だんだんと膨らませていくことを一貫して継続することです。

そして、やりっ放しで「あ〜楽しかった〜(笑)」で終わらせず、少しずつでも、知識や思考につながるように繰り返し繰り返し、ナビゲートしてあげることが欠かせません。

子どもの気質(気が散る、ぱっとは分からない…etc)から、親や指導者としてここが一番苦労するところ、最も難しい部分だと思います。

しかし、ここが成長の分岐点とも言えますので、焦らず、少しづつ、じっくり(スロー)育てていくことが本当に大切になってきます。

大人が期待してしまう100分の1でも成果があれば十分だと思います。

感性や思考などの内面の変化は目に見えないので「これは意味ない?」と思ってしまうことが多いのかもしれませんが、ちゃんと向き合ってあげれば、必ずお子さんの心に残っていて、それが将来つながって行きます。

※表面的な探究は心に残らない、応用がきかないので注意してください。

お子様が成長する機会(時間)、失敗する機会(時間)、考え試す機会(時間)をなるべくたくさん作ってあげてください。

 

Nobi

Nobi講師のNobiです。

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