【辛口】ギフテッドに最適な学習方法は飛び級や先取りにあらず。

【ギフテッド教育】飛び級や先取り学習への誤解

ギフテッドに必要な教育を考える際、必ず議題となるのが「飛び級」や「先取り学習」についてではないでしょうか。

マスコミの報道の仕方や教育者の発言にも問題があるのだと思いますが、飛び越えて先(上の学年の学習範囲)に進む程に「賢い・天才・異才」とされる風潮にいささかの疑問や違和感を感じませんか?

長々と語るよりも、小学算数と中学数学の実例でお話しさせて頂きます。

 

【問題A】
りんごが(  1  )個、オレンジが(  2  )個あります。りんご2個とオレンジ3個のセットで箱づめすると、オレンジはちょうど使い切りますがりんごは8個余ります。りんご3個とオレンジ4個のセットで箱づめすると、りんごはちょうど使い切りますがオレンジは8個余ります。りんごの個数( 1 )個 、 オレンジの個数( 2 )個 を求めなさい。

【問題B】
y=-3x+4でxの変域が-2≦x≦3のときのyの変域を求めよ。

【問題C】
(x+2y)2-(3x+y)2 を因数分解せよ。

 

上記の問題は文科省の学習指導要領に当てはめると、

  • 【問題A】は 小学校4年生の学習範囲(※算数)
  • 【問題B】は 中学2年生の学習範囲(※数学)
  • 【問題C】は 中学3年生の学習範囲(※数学)

となっていますので、仮に小学生で【問題B】や【問題C】の中学数学を解いているとすれば、「凄いことだ!天才だ!」と誤解してしまうかもしれません。

 

「単なる知識や計算力」と「思考力」を混同しないこと

改めて問題内容を見ていただければ分かると思うのですが、【問題B】や【問題C】は確かに中学数学の範囲ではありますが、単なる基礎的な計算問題です。

小学校4、5年生であれば丁寧に教えてあげると相当多くの子が解けるはずです。(※やらせる必要は全くありませんが。)

一方、【問題A】を解くには、構造やメカニズムに対して分析的にアプローチする思考力が不可欠です。

必要な計算力は小学4年生レベルの四則演算で十分であるにも関わらず、かなり考え込まないと解き方のアイデアは浮かんでこないはずです。

今回の場合に限ると、中学数学(問題B、C)よりも小学算数(問題A)の方が高度で深い思考力が求められることは明らかです。

 

ギフテッド教育には飛び級が最適とは限らない

ご家庭の教育方針やお子様の好奇心の対象にもよりますが、「思考力を伴わない表面的な飛び級で先に進むことが、必ずしもギフテッドに最適な教育であるとは限らない。」ということをお伝えしたいのです。(※むしろ、将来の伸び悩みに繋がるリスクが高まる。)

特に浅い理解でどんどん先の学年の学習範囲に進めるタブレット教材や動画教材には注意が必要だと思います。いたずらに先を急ぐことをして欲しくありません。

せっかく知的好奇心が旺盛で、まっさらで頭の柔らかい時期だからこそ、そのエネルギーを『思考力(メカニズムや構造にアプローチし、体系的に理解し、深め・広げ・繋げていく力)』を磨くことに向けるべきだと思うのです。

好奇心を起点に思考力を磨いていくと、理解の深さや範囲が結果的に大きく飛び級・先取りしていることは良くありますが、これが正しい飛び級(先取り学習)と言えるのではないでしょうか。

 

※【問題A】は灘中学の算数1日目の入試問題です。解説ページのリンクを以下に貼っておきます。

文章題(灘中)[S-0003-C]

 

 

Nobi

Nobi講師のNobiです。

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