為末大さんの話がしみる

為末大さんの考え方や語り口がすごく好きです。

この動画でも

  • 人の考えは思う以上に環境や集団に左右されている(影響を受けている)
  • 「型」と「意味」について
  • 学びは破壊を伴うものであり、飽きることも必要
  • 体験、要約、ブリッジが学びの要素
  • 没頭と俯瞰
  • ゾーンとフロー

など、人の成長に関してとても分かりやすく話されています。

自分の頭で考えて、実践し、そして現在も挑戦し続けているからこそ出せる言葉は心に沁みます。

また、別のところで話されていましたが、「早熟とバーンアウト(ご自身がそうだったようです)」についての話も納得できるもので、貴重な知見だと思います。

note 為末大より

noteでも面白い記事を書かれていらっしゃいます。

なにかあったらどうするんだ症候群とその対処法

https://note.com/daitamesue/n/n5319467da614

私たちの国は「なにかあったらどうすんだ症候群」にかかっています。この症候群は社会に安定と秩序をもたらしますが、その副作用として社会の停滞と個人の可能性を抑制します。この症候群には「未来は予測できるものであり、物事はコントロールできるものである」という前提があります。

確かに日本人の国民性(価値観)は安定と秩序に向いていますよね。もちろん、良い面も沢山ありますが、これからはちょっと厳しい時代であることは間違いなく…ではなくて、実際すでに厳しさを痛感しているわけです…。

楽しむことを邪魔する自分の価値観

https://note.com/daitamesue/n/nf460a10aaf7a

楽しむことは楽しいことは違う。人生は楽しまないとねと言って、パーティーに出かけ刺激のあることを求め探し回っている時、実際のところは楽しんでいるのではなく、楽しまされているだけという場合がある。外部の刺激によってしか楽しさが誘発されないなら、それは外部の刺激によってコントロールされているとも言える。楽しむことは内から生まれ、楽しいことは外から来る。

先の動画や記事とあわせて考えてみると、「楽しむ」には

  • 挑戦や失敗を許容する社会(または集団や環境)があること
  • そういった社会で生まれ、育つこと(経験すること)
  • それ相応の能力が身についていること

少なからずこういった条件がそろわないと、内から楽しむことは難しく、結果として安定と秩序に頼ることから逃れられないのではないでしょうか。

子どもたちへの教育においても、アクティブラーニングや探究学習という「型」は取り入れられていくことだと思いますが、「意味」を誰がどう伝えていくのかといった大きな課題が残ったままです。

為末さんのように、挑戦し楽しむ「起業家精神(アントレプレナーシップ)」を持つ先生が沢山いれば良いのですが。

おっと、悲観的な終わり方になりそうでしたが、そうではありません!

「家庭」という一番小さな社会は私たち「親」の意識次第で直ぐにでも変えることができますね。

親も子も、ちょっとしたことに挑戦する、楽しむ、許容する、そういうことを自然とやって行けば良いのではないでしょうか。

Nobi

NobiNob先生iです。

記事一覧

関連記事

★teku先生のX(ポスト)

ギフテッド関連コラム

  1. 【辛口】ギフテッドに最適な学習方法は飛び級や先取りにあらず。

  2. 【ギフテッドの育て方】個性や才能を伸ばす教育のコツや習い事について真面目に語ります。

  3. 行きたがらない小学校に無理やり行かせた結果〜行ってよかった?の問いに中学生になった今、どう答えたか〜

  4. ギフテッドと塾と中学受験

オススメ or 新着コラム

オススメの記事 新しい記事
  1. 「好奇心を起点に、主体的に学び、深める」これは一種の「技術」である。

  2. 教育における「3つの要素」を知ろう。

  3. 【セレンディピティー】偶然の発見には理由がある。

  4. 問われるのは「問う力」。簡単に納得しないクセ。

  5. 【解説】スティーブ・ジョブズも重視したリベラルアーツって何だろう?

  6. 「役立つ」より「面白い」の視点

  7. 【環境が人を育てる】読み聞かせの効果は理解力に表れる。

  8. 【読み解く】小学生向けのオンラインの習い事・学習塾・教室の選び方。多くの人が誤解している肝心なこと。

  9. 【日経新聞より】アクティブラーニングを導入したのに「受け身」な生徒が増えてしまうの!?

  10. 人口減により遂に偏差値時代が終幕。これからの入試とあるべき幼少期教育について。

  1. 「好奇心を起点に、主体的に学び、深める」これは一種の「技術」である。

  2. 教育における「3つの要素」を知ろう。

  3. 【セレンディピティー】偶然の発見には理由がある。

  4. プチ探☆マンガ『ソルト ルアー フィッシング』編

  5. 問われるのは「問う力」。簡単に納得しないクセ。

  6. プチ探☆マンガ『月の模様』編

  7. 「放流で魚が減る」をクリティカルに考えよう。

  8. プチ探☆マンガ(春の七草-完結編)

  9. 【解説】スティーブ・ジョブズも重視したリベラルアーツって何だろう?

  10. プチ探☆マンガ(春の七草-③)

スローラーニング特集

  1. 「好奇心を起点に、主体的に学び、深める」これは一種の「技術」である。

  2. 教育における「3つの要素」を知ろう。

  3. 【セレンディピティー】偶然の発見には理由がある。

  4. プロセスをしっかり踏むこと。それが成長のロジック。【塾長の想い】

  5. 「のびてく」で身に付くアナロジー思考について

  6. 科目横断的な探究学習と科目学習をどのようにリンクさせていくのかについて、具体例で説明します。

  7. ずっと伸び続ける方法(スローラーニングで好奇心を育てる)

  8. スローラーニング誕生の背景

探究カリキュラムの一例

  1. 【フィールドワーク】石や鉱石を探そう!何が分かるかな?

  2. オオカミ再導入を考える。(豊かな森と生態系の回復を目指して)

  3. 戦争と平和について考えてみよう。

  4. 自分の好きな生き物を魅力的にプレゼンしてみよう!

  5. 論説文や随筆分を構造的に整理してみよう!

  6. 【知恵トレ】自分で規則や法則を作り「知恵」で解いてみよう!

  7. 「形」の仕組みを体感的・論理的に理解しよう!

  8. オノマトペを通して読解力を高めよう!

  9. 観察を通して地球の成り立ちと自然現象を結びつけよう!

  10. 世界の宗教と人々の生活について調べてみよう!