紙芝居を続けておりまして、図書館や小学校、要望があれば保育施設や老人ホームなどで活動しています。
その中で「手作り紙芝居」をメインに演じているのですが、今回は「ちょっと成長したな」というお話です。
1、創作活動の悩み事
自分の手作り紙芝居を演じるにあたって、いつも気になることがあります。
- 「この作品は人前に出せるものなのかどうか」
- 「お客さんの心は掴めているのか」
ということです。
その部分が不安だと、楽しく聞いてもらっていても、演じているうちに途端に自信がなくなります。
もう、一人に下を向かれるだけで、「あれ?面白くないのかな?」と思ってしまうんですよね。
そして早口になって終わらせてしまったり。。(あとは自己嫌悪と反省会です。)
もちろん、完成してすぐ観客に演じることはありません。
まずは紙芝居の会や先生(児童文学作家)に見てもらい、アドバイスをもらって直しを入れて、という作業を何回かしてから観客に披露します。
それでも、観客と一体になれないことがあるのです。
その根本には経験不足なのか、作品への自信なのか、どこに問題があるのか手探り状態でした。
2、紙芝居コンクールのクリニックに参加してみた
そんな中、一番時間をかけた出来上がりのいい作品をコンクールに出したのですが、箸にも棒にも引っかからず返却されました。
何がどうだったのか、好みの問題なのか、紙芝居としての体をなしていないのか??
どうしたら人前に出せるのかということを知りたくて、コンクールが開催しているクリニックに参加してきました。
紙芝居を演じてから講評を頂くのですが、今回の講師はその会の会長と副会長で、お二人とも作家さんです。
直接アドバイスがもらえるとは!と嬉しい気持ちでした。
いただいた講評は、総じてお褒めの言葉でした。引き込まれるストーリーで脚本も無駄がなく、キャラクターについてもしっかり設定がわかり、絵も雰囲気に合っていて、演じ方も作品と合っている、というこの上ないお褒めの言葉をいただきました。
さらに
- 「入賞していてもおかしくない。どうして入賞しなかったのか?やはり紙芝居は演じてみないと…(わからないものだ)」
- 「どこからかもう出版されてますか?」
と。
最後には、今回入賞しなかったからといって「くそう」と思わずに、糧にしていい作品をまた出してくださいね、ということでした。
3、ストンと落ちた感覚
私は「くそう」とは程遠いところにいて、この作りでよかったんだ、という安心感とお褒めの言葉でお腹いっぱいでした。
そして、「ああ、そうか」と何かがストンと落ちました。
今回コンクールに出した作品は、何年もかけて手直ししていて、どうしても仕上げておきたい作品でした。
なんせ、私がこの作品が大好きなんです。
みんなと「楽しい、面白い」を共有したかったのです。
どうしたら伝わるのか、どうしたらいいのか、実際に紙芝居を演じて、反応を見て、何度も作り替えて仕上がったのです。
ここまで作業が必要でした。これが完成に近いのなら、どういう場所まで来たら完成なのか、というのがわかったような気がしたのです。
「ああそうか」と腹に落ちたものは「なるほど、ここまで必要なのだ」という気持ちでした。
4、最後に
それまでは、もがいていて、この作品はどうかな、いいのかな?という不安はあり、たくさん紙芝居を作っても、まあ、こんなもん?という感じがありました。
賞をいただいたこともありましたが、まだ自分のものにはなっていなかったようです。
いろいろと思い悩んでいましたが、1作品きっちり作り上げることがこんなにも自信になるとは思いませんでした。
安易に(完成させて)逃げないで作り込むという経験の積み重ねが必要なんだなあ、と感じた次第です。
これからもたくさんの人が面白いと思える作品を、心に残る作品を、そして子ども達の心の栄養になるような作品を作っていきたいと思っています。
紙芝居、楽しいよ!