人(ヒト)が他の生物と大きく違っているのは「ことば」を話すこと。「ことば」を通じて学び・成長できることです。
「ことば」・・・つまり「読む」こと「書く」ことに深く親しむことが豊かな想像力、思考力や認識力につながっていくのです。
今回は起承転結を取り入れた物語づくりに挑戦し、「ことば」の扱いを磨いていきましょう!
人(ヒト)が他の生物と大きく違っているのは「ことば」を話すこと。「ことば」を通じて学び・成長できることです。
「ことば」・・・つまり「読む」こと「書く」ことに深く親しむことが豊かな想像力、思考力や認識力につながっていくのです。
今回は起承転結を取り入れた物語づくりに挑戦し、「ことば」の扱いを磨いていきましょう!
参考にする指定の物語を読む。
起承転結の視点で物語を整理する。
構成を真似て、オリジナルの設定を考える。
オリジナルな物語を完成させる。(1200〜1600字程度)
表紙のイラスト、挿絵などを描いてみる。
ハワイとその周りにある不思議の島
【登場人物】
「鳥の妖精たち(100羽以上)」と「カメレオンの妖精たち」【主人公】
みーる【ストーリ】
ハワイの島々の土の下には鳥やカメレオンの妖精が住んでいます。鳥の妖精たちの名前は「くれお・れっしゅ、ぱれお・れっしゅ、はーも・れっしゅ、、、」みんな名前の最後には「・れっしゅ」が付くのです。鳥たちはカラスのように真っ黒になって人間にみつからないようにしているのですが、本当は綺麗な虹色の羽をもっています。鳥の妖精たちは、みんなまだ子どもでおっちょこちょいです。その中で唯一しっかり者の「みーる」がみんなのお世話をしているのです。カメレオンの妖精である「くーらん」も病気がちなので、「みーる」がお世話をしてあげています。みんな「みーる」のことが大好きです。
妖精たちは、冬になると学校に行きます。そして雪を降らす魔法を習います。学校の決まりである「雪を降らす日」はきっちりとカレンダーになっています。春には桜の結晶の雪を、夏にはスイカの結晶の雪を、秋には葉っぱの結晶の雪を、そして冬には本当の雪を降らせます。暖かいハワイの島では雪はすぐに溶けてしまうのですが、不思議な雪が降ったなら、それは鳥の妖精たちの仕業かもしれませんね。
(おしまい)
作り方として、生徒さんに思う存分物語を語ってもらい、のび先生がちょっとした投げかけをしつつ、代わりに文章にまとめたものです。ここではご紹介しきれず残念ですが、本編では各登場人物にしっかりとキャラクターを持たせクスッと笑えるエピソードで表現するなど、日頃たくさんのことを感じているんだなということが伝わってきます。なお、最初からカチッとまとまっていた訳ではなく、エピソードなどを膨らませて行く中で、論理的にも世界観的にも「ツジツマが合うように」どんどん仕上げていってくれたことには驚きました。本人は種明かししてくれないのですが、「みーる」だけ名前に「・れっしゅ」が付かないのは「大人」になった証なのかもしれませんね。
お母様と一緒にレッスン外の時間で作ってくれた物語を紹介します。
【タイトル】
心のたねのはじまり【ストーリー】
まずはじめに、心から咲く花があります。みんなからは心花(ココロバナ)と呼ばれています。本当の名前はスヘミと言います。心花の花びらはきもちの花びらとなって散っていきます。
花びらからは、いろんな気持ちのたねができます。それは、6種類あって、「よいこのたね、よいこのもとのたね、ふつうのたね、ふつうのもとのたね、けんかのたね、けんかのもとのたね」になります。
よいこのもとのたねになるには汗がいります。よいこのたねは喜びや楽しみを栄養にして花を咲かせ、仲良しの実をつくります。
仲良しの実の本当の名前はグリレラといいます。仲良しの実は一年に一度しかできません。花は50個咲きますが、こどもの心にはその50個の花のうちグリレラは3個しかできません。
大人の心なら、100個咲き、100個の実がなります。グリレラは私の心の中にいる妖精たちの好物で、食べると心が落ち着きます。妖精たちは実ができると村に持って行き女王様に渡します。女王様はみんなに分け与えてみんなと、食べるのです。
私が涙を流すと、心に雨雲ができて、雨が降ります。けんかのたねは悲しみやイライラを栄養にして黒い花を咲かせます。けんかのもとのたねは真っ黒です。けんかのタネは黒い気持ちと怒りの赤い気持ちでしましまです。
ふつうのたねもあります。ふつうとは、いいこともあるけど普通の日、ということで、キレイな色をしています。
(おしまい)
外からは見えなくても心の中には何があるのか、子供が大人になるとはどういうことなのか。そういったひとの心の様を繊細に感じ取り、それらをひとつの世界として詩的な物語として表現してくれていると感じます。
発想力:どのような出来事を起こすのかなど
論理力:ストーリーや設定に矛盾がないよう構成するなど
表現力:人物の描写、ことばの選定、展開力など
批判的思考力:テーマ性など
コミュニケーション力:俯瞰駅な視点切り替えなど
動画視聴やSNSが発達した現代は、どんどん短文文化に傾き、読解力が低下していると言われています。
匿名性という性質と相まって、誹謗中傷などのSNSトラブルが増加しているのも、「ことばの扱い(読解力)」が低下し、思考力や想像力までもが低下していることと無縁ではないでしょう。人がテクノロジーに使われてしまっている状態とも言えますね。
そんな短文に溢れかえっている現代だからこそ、「ことば」の世界に意識を向け、書くこと・表現することを「特別なもの・贅沢なもの・豊かなもの」として位置付け、その悩みに悩むプロセスを楽しんで欲しい思います。