子どもの好奇心のオモテ面とウラ面

「なぜ、水に手が濡れると冷たいの?」「ゴミはどこへ行くの?」「車で曲がるとき、なぜ外側に体がいくの?」「太陽はなくなるの?」など疑問があちこちから出てくる息子と娘。幼児期は不思議がいっぱいあって、好奇心がすごくあるのだな、と感じたものです。しかも、ちょっと高度なことを質問されると、おや、この子の洞察力は普通じゃないかも、なんて思うのですが、詳しく説明するにはちょっと難しい、、、でも、答えてあげたい、、そんな時、どうされてますか?

1,好奇心にどう答えたらいいの?

●ちゃんと1から全部説明してあげるのが良いかな?
→答えを全部言ってもいいのだろうか?また、子どもにわかるように説明できるだろうか。

●自分で考えさせてみようかな?
→どう思う?と聞いても、わからん!と即返される。。そりゃそうか。考えて分からないから質問してるんだもんね。

結局どうしていたかというと、

答えられるのは答えていましたし、わからないのは「どうかな」と一緒に調べてみたり、分かりづらいの時は絵を描いて説明したりしていました。その時わからなくても、将来「あ、このことか!」とわかってくれたらいいなと思っていたからです。

また、どう思う?なんて丸投げしないで、ちょっとずつ目の前の答えがわかるように導いてあげるべきだったかな〜、なんて思ったりもしました。
とにかく、「疑問に思った時にはそれを機にいろいろ教えたい」なんて思っていたのです。欲が深いですね。こども相手に。。

2,むずがしい質問の時は

すぐに答えが出なくても、「なに、その難しい質問!」と一言入れるだけで、子どもは「ふふん」と得意げになる、、、と思うのですが、わたしはなぜか負けた気がして、そういうことは言いませんでした。あれ。。
とりあえず、一生懸命わかる限り説明していたような気がします。会話をしながら、いろんな方向からしていましたが、どうしても説明が無理なものもありました。。例えば政治関連とか。。自分がよくわかってませんから、無理でした。なので、そこは軽く「大人になったら」ということで飛ばしました。ちゃんと話を聞くことだけはして。それは、いろいろな疑問や質問をどんどん親に話してくる時、自分の問いかけに親がどれだけ真剣に受け止め話をしてくれるか、というのもしっかり見ているのではないかと思えたからです。

3,子は親をよく見ている

先ほどまでは「なぜなぜ?」と直接的に聞いてくる、いわば「好奇心のオモテ面」の話でした。今度は何も語らない、聞いてこない態度の中にある、いわば「好奇心のウラ面」の話です。

年月を経ると、私が興味のある分野に興味を持つようになりました。生き物とか絵とか。これは、特別に熱心に教えていたわけではありません。生き物が庭に舞い込んできたりしたら、捕まえたり、飼ってみたり(まあ、テンションが上がって「みてみてぇ!!」と言ってたかもしれませんが)してただけです。のちに息子も捕まえてきたり、飼ってみたりするようになったのです。娘も虫や魚、生き物全般にとても興味があり、お世話が大好きな子になりました。また、絵も教えたわけではありませんが、私が淡々と描いてるのを見ていた息子と娘は絵を描くことが大好きです。教えてもいないのにびっくりするぐらいです。子どもは親のしていることをよく見ているなあ、と。

意図せずとも、子どもの好奇心を刺激していたわけです。

4,最後に

現在、子どもたちは中学生と小学生になりましたが、今でも、たくさんの会話をします。ハッと気付いたのですが、その会話の多さは幼少期から変わっていないな、と。。ただ、親が話す時間がだんだんと減り、子どもが話す時間の方が少し増えてきたようにも思います。

世界情勢から生物の話まで幅広く話をしていて、知識欲は衰えないものだなあ、と。それを家族であーだこーだと「話す」ことで、自分というものを見つめることができたり、自分の考えがまとまったりするようです。授業で得た知識やおもしろ話もどんどんしてくれます。

日頃の様子から、我が家における親離れ子離れは感じているのですが、それだったら子どもたちから話をしてくれなくなりそうなものですが、親が知らない世界をたくさん話してくれます。

これはどういうことなのか、またこれも変化していくのかはまだわかりませんが、お互いが、自立した関係で会話できているのかもしれないな、とおもう今日この頃です。

おしまい

Teku

TekuTeku先生です。

記事一覧

関連記事

★teku先生のX(ポスト)

ギフテッド関連コラム

  1. 【辛口】ギフテッドに最適な学習方法は飛び級や先取りにあらず。

  2. 【ギフテッドの育て方】個性や才能を伸ばす教育のコツや習い事について真面目に語ります。

  3. 行きたがらない小学校に無理やり行かせた結果〜行ってよかった?の問いに中学生になった今、どう答えたか〜

  4. ギフテッドと塾と中学受験

オススメ or 新着コラム

オススメの記事 新しい記事
  1. 「好奇心を起点に、主体的に学び、深める」これは一種の「技術」である。

  2. 教育における「3つの要素」を知ろう。

  3. 【セレンディピティー】偶然の発見には理由がある。

  4. 問われるのは「問う力」。簡単に納得しないクセ。

  5. 【解説】スティーブ・ジョブズも重視したリベラルアーツって何だろう?

  6. 「役立つ」より「面白い」の視点

  7. 【環境が人を育てる】読み聞かせの効果は理解力に表れる。

  8. 【読み解く】小学生向けのオンラインの習い事・学習塾・教室の選び方。多くの人が誤解している肝心なこと。

  9. 【日経新聞より】アクティブラーニングを導入したのに「受け身」な生徒が増えてしまうの!?

  10. 人口減により遂に偏差値時代が終幕。これからの入試とあるべき幼少期教育について。

  1. 「好奇心を起点に、主体的に学び、深める」これは一種の「技術」である。

  2. 教育における「3つの要素」を知ろう。

  3. 【セレンディピティー】偶然の発見には理由がある。

  4. プチ探☆マンガ『ソルト ルアー フィッシング』編

  5. 問われるのは「問う力」。簡単に納得しないクセ。

  6. プチ探☆マンガ『月の模様』編

  7. 「放流で魚が減る」をクリティカルに考えよう。

  8. プチ探☆マンガ(春の七草-完結編)

  9. 【解説】スティーブ・ジョブズも重視したリベラルアーツって何だろう?

  10. プチ探☆マンガ(春の七草-③)

スローラーニング特集

  1. 「好奇心を起点に、主体的に学び、深める」これは一種の「技術」である。

  2. 教育における「3つの要素」を知ろう。

  3. 【セレンディピティー】偶然の発見には理由がある。

  4. プロセスをしっかり踏むこと。それが成長のロジック。【塾長の想い】

  5. 「のびてく」で身に付くアナロジー思考について

  6. 科目横断的な探究学習と科目学習をどのようにリンクさせていくのかについて、具体例で説明します。

  7. ずっと伸び続ける方法(スローラーニングで好奇心を育てる)

  8. スローラーニング誕生の背景

探究カリキュラムの一例

  1. 【フィールドワーク】石や鉱石を探そう!何が分かるかな?

  2. オオカミ再導入を考える。(豊かな森と生態系の回復を目指して)

  3. 戦争と平和について考えてみよう。

  4. 自分の好きな生き物を魅力的にプレゼンしてみよう!

  5. 論説文や随筆分を構造的に整理してみよう!

  6. 【知恵トレ】自分で規則や法則を作り「知恵」で解いてみよう!

  7. 「形」の仕組みを体感的・論理的に理解しよう!

  8. オノマトペを通して読解力を高めよう!

  9. 観察を通して地球の成り立ちと自然現象を結びつけよう!

  10. 世界の宗教と人々の生活について調べてみよう!