はじめに
こんにちは、塾長のnobi(のび)です。
日々、子どもたちを指導・サポートしたり、親御様からご相談を受けたりしているのですが、
- 「吸収と理解がすごい!既存の教育だと退屈だろうな。」
- 「言いたいことや聞きたいことが溢れ出て止まらない!教えるよりもトコトン聴いてあげ、共感してあげれば良い。」
- 「知的好奇心が旺盛だ!受け身になる一斉授業だともったいない。」
- 「すごく良い感性を持っている!どうして、この子が伸びなくて苦しんでいたのだろうか。信じられない…。」
- 「暗記は不得意でも記憶は抜群だ!もっと早くうちの塾に来てくれていたら苦しまなかったのに…。」
- 「メッセージを出している!どうして、塾や学校の先生はちゃんと話を聞いてあげなかったのだろうか…。」
- 「目的意識や自信が揺らいでいる。指導の内容とタイミングは慎重にいかないと。」
これは一例ですが、「一人ひとりの才能や個性が満たされていない。指導の仕方を工夫すればもっと伸びるし、学ぶこと自体をもっと楽しめる。」そんな風に感じることが何度もありました。
その度に
- 子育てや教育のお困りごとを解決することが「のびてくの存在価値」なんだ。
- どこよりも子どもたちの個性と才能を開花させ、笑顔と自信を届ける塾、それを目指しているんだ。
と心に固く誓っています。
今日はnobi先生とteku先生がこれまで考えてきた事、今も考え続けている事、そんな「想い」について綴ってみたいと思います。
私たちの教育にかける想いやスタンスが皆様に上手く伝われば嬉しいです。
【こんな方は是非お読みください】
- 「自立」「個性」「主体性」を大切にした子育てや教育をしている。同じ価値観で接して欲しい。
- お子さんの才能や個性をどんどん伸ばしてあげたい。(※出る杭を打たず、伸ばす環境が欲しい。)
- 表面的な知識習得で終わらせず、今のうちに深く考え理解するクセづけをしたい。
- お子さんに対する親の評価と学校や塾の先生の評価が違っていてモヤモヤしている。
- 子どもの個性に合わせた指導、寄り添った丁寧な指導を受けたい。
- 子どもに何を勉強させたり、習わせたり、経験させてあげれば良いのか悩んでいる。
- 子どもの好きなことを中心とした子育てをしているが、勉強への関心も持ってくれたら嬉しい。
- 文武両道、文芸両道で楽しくのびのびと育てたい。
- 中学受験を視野には入れているけど、幼少期からこんなに詰め込む必要があるのか疑問に感じている。
- 塾で言われた通りに頑張っているのに成績が上がらないと感じる。
- 子どもが段々と反抗的になり、勉強ではなくゲームばかりしたがるようになってきてしまっている。
- 子どもが自分からすすんで勉強するようになってくれたら嬉しい。
- 無理なく最難関校に合格するくらいの学力をつけて欲しい。その秘訣が知りたい。
日本の教育と学習に対する問題提起
子の成長を抑止する「日本的王道教育」に対する疑問
ところで、「子どもたちの個性や才能を伸ばすこと」、こんな当たり前のことを大袈裟に「存在価値」などと言っているのは、誤解を恐れずに言うと、
現在の日本において、中学受験を含め正解・王道・常識とされている、「分かり易い解説授業を中心とした教育方法」は子どもたちの才能や個性の開花を促すどころか、むしろ抑止し邪魔するものである。
と感じている為です。
「分かりやすい解説授業って良いんじゃないのか?」と考える方もいらっしゃると思いますが、ここには明確な問題点があるんです。
その問題点について順を追ってご説明していきます。
分かりやすい授業に潜む重大な問題
【分かりやすい解説授業の構造について】
- 先生が主体・主役となり、知識や解き方に関する分かりやすい解説の一斉授業を行います。
- 子どもたちは受動的に解説(正解)を聞きます。
- パターン化された練習・演習問題を数多く解き、知識と解き方をパターンごとに正確に暗記して行きます。
さて、ここで「分かる」とはどういう事なのかにつてい定義しておきたいと思います。
〜「分かる」とは、地図に自分なりの道筋を書き込むようなものである 〜
- 「分からない」をスタート地点とするならば、「分かった」はゴール地点となる。
- 「スタート地点」と「ゴール地点」の間を結ぶと「道筋」が見える。
- 「分かる」とは、自分なりの道筋を立てる一連のプロセスのことである。道筋を立てる力とも言える。
知の巨星 東京大学卒の作家 橋本治(著) 「わからない」という方法 より間接引用
この定義に当てはめて考えてみると、
「分かりやすい授業」とは
スタート地点の「分からない」からゴール地点の「分かった」までの「筋道」を、先生に丁寧に「手取り足取り」ガイドしてもらえる授業である。
ということが見えてきます。
【疑問】
- 優れたガイドのおかげで高い山にゴールできたとして、そこに意味はあるのでしょうか?
- 将来に必要な実力が身につくのでしょうか?
- これを教育と呼べるのでしょうか?
それでは、分かりやすい解説授業の問題点についてまとめます。
【分かりやすい解説授業の問題点】
知識や解き方に対して「分かりやすい解説」から学びをスタートすると…
- 正解からスタートするため、自分で悩むことや疑うことを経験しない。
- ゴールまでの道筋を立てる力が身に付かず、応用が効かない。
- 細かく全ての出題パターンを覚えることが必要になり、長時間の暗記勉強が必要になる。(※受験では初見問題や新傾向に対応できない)
このように受験勉強において応用が効かないため長期間・長時間の勉強が必要になるといった問題もあります。それだけでなく、メンタル的な打たれ弱さ、自立心の無さ、社会適応力の無さ…こういった現象が表れても不思議ではありません。読解力・分析力・発想力・想像力・仮説力・論理検証力、概念を捉える抽象的思考、原理原則や規則の発見力、構造やメカニズムの把握力、批判的に本質を見抜く力など、実社会で必要となる「生きる力」につながらないという根本的な問題点もあります。
つまり、子どもたちの自立を本気で考えるならば、「子が自分自身でゴールまでの道筋を立てること」を教育の中心に置くこと。そして、そういう機会と環境を作り道筋を立てる経験を沢山させてあげることが大人の役目だと思うのです。
今の効率的なガイド教育では「自分の頭で考える時間、工夫する時間、そして失敗する時間」があまりにも削られ過ぎていると感じます。
あれこれと試行錯誤し、自分で道筋を立てること、これが最も面白くて、最も学びの多い部分です。
感じること、考えること、発見する事、探究すること・・・こういった「学びのプロセス」は本来とても楽しいことのはずです。
このプロセスをしっかり踏ませてあげ、結果を恐れず「楽しむ」ことを覚えて欲しいのです。
今のままでは子どもたちが勉強嫌いになったり、伸び悩んだりしまうのも仕方ないように思えます。
子どもたちに与えたいもののゴールが「知識」や「受験合格」だけであるのならばこのようなガイド教育・学習方法で良いのかもしれません。
しかし、学習を通して「自分で考える力・判断する力・表現する力」などの「生きる力」をしっかりと子どもたちに身につけて欲しいのであれば、一度立ち止まって考えてみ必要があるのではないでしょうか。
さて、ここから先はより踏み込み、理想的な教育の方法や在り方について書いてみたいと思います。
よろしければ是非お付き合いください。
理想の塾が世の中にない。だったら自分達で作ろう。
起塾の理由
そもそも、どうしてこういう塾を作ろうと思ったのか、その理由を率直に述べます。
- 世の中にはお子さんの才能を伸ばしてあげられず困っているご家庭が沢山ある。
- その困り事が多くの大手進学塾や家庭教師や通信教材では解決できていない。AIやタブレットでも解決できていない。
- むしろ間違った指導が常識(正解)とされていて、多くの才能や意欲が潰されていることに危機感や憤りがある。
- 子どもたちには十分な才能があるが、それを開花させてあげられる人や教育者があまりにも少なすぎる。そんな塾も存在しない。
- その困り事を「のびてく」では解決できる。そのための個別指導プラン、経験、手応え、自信、そして実績がある。
否定的で自信過剰気味に聞こえるかもしれませんが、本音で言えばこういったところです。
大人の都合(効率的な教育ビジネス)ではなく、子どもが主役となるアクティブラーニングをベースとした真の教育を実現させたかったからです。
塾運営者・教育者にとっては、非効率・高難度・高負荷であり教育界では不可能とされることに身銭を切って、人生をかけて挑戦してみたのです。
「生きる力」はアクティブラーニングでないと身につかない
私たちもそうでしたが、子どもたちには勉強、アウトドア・スポーツ、芸術・音楽などを通して、楽しみながら自然と「生きる力」を身につけて欲しいと思う親御様も多いことでしょう。
【生きる力の解釈】
- 学びに向かう力、人間性など(学んだことを人生や社会に生かそうとする)
- 知識及び技能(実際の社会や生活で生きて働く)
- 思考力、判断力、表現力など(未来の状況にも対応できる)
これを「好奇心」×「学力」×「自立心」=「自学自習力」=「道筋を立てる力」というように踏み込んで解釈しています。
この「生きる力」を子どもたちに身につけてもらうためには、先述の「受動的な学習」ではなく、子どもたちが主体となる「能動的な学習」を導入・実現させることが必要です。この能動的な学習のことを「アクティブラーニング」と呼びます。
【アクティブラーニングとは】
なぜ?どうして?と自らの頭で考えることから始まり、それを実際に実行して検証したり、手に入れた情報を分かりやすく整理したりすることを通して、原理原則やメカニズムの理解につなげる学習方法のことをさします。自分でゴールまでの道筋を立てる力が身に付いて行きます。
公立・私立を問わず、学校教育においてSDGsなどの社会的な課題をアクティブラーニングで議論する授業などは徐々に増えているのですが、最も基本となる「国語」「理科」「社会」「算数」とった科目学習においては、説明的な一斉授業が徹底されています。(※当然飛び級もみとめられない。)
この将来の学習基盤となる科目学習にこそ、自分で考え、解釈し、分かっていくという自由度を与えてあげるべきなのです。そうすることで、共通項がみつかり、科目を飛び越えた探究的な学びへと発展するのです。(リベラルアーツ教育)
現時点では、子どもたちが将来何になりたいのか?何を目指すのか?は定かでないとは思いますが、例えどんな分野に進もうとも学習は続きます。そして学習を進めるには、「基盤となる学力」に加え「人に頼らず自学自習できる力」「学びに向かう力(意欲や自信)」「その過程を楽しむ力」などが重要になることは明らかです。
「好奇心」×「学力」×「自立心」=「自学自習力」このような「生きる力」を身につけるには、子どもが主体となるアクティブラーニングが不可欠なのです。
アクティブラーニングの学習系塾は日本には無い
学校教育でやらないことは塾が受け皿になることが多い日本です。
ところが、どんな塾を調べても先取り詰め込み方式の受動型ばかりで、アクティブラーニング形式を採用している塾がありません。
科目学習を探究的にアクティブラーニングで学ぶ。好奇心に従って、自由に広げ発展させてあげる。そんな「リベラルアーツ教育」が受けられる塾が世の中にないから「のびてく」を作ったのです。
【補足】他の習い事も調べてみました。ちょっと乱暴なまとめ方ですが、以下参考まで。(※一部偏見があるかもしれませんが、ご了承ください。)
- KUMON、算数教室、タブレット教材:無意味な計算やパターン暗記による処理力重視。自立心や思考力が磨かれない。
- 進学塾:知識と解き方を中心とした入試学力偏重。受動型で自立心が育たない。(※粘り強さはつくかもしれない)
- 探究プログラム:お膳立てされていてワイワイ楽しいが、自ら楽しむ姿勢や自学力が育たない。
- ロボット、プログラミング教室:本来必要な基礎学力がまだ備わっていないタイミングでやるものではない。
- アート系:感性や好奇心を刺激できて非常に良い。知識、学力、探究力などと分離させず関連付けるてあげることが大切。
- スポーツ系:体を動かすことや上達を工夫することは非常に良い。ただし、受動型で自立心が育たないこと、勉強と親和性が低いことが課題。
このように一部のアート系以外では、子どもが主体となったアクティブラーニング形式の塾や習い事がありません。(※謳い文句ではなく実際の内容から独断しています。)
教育界のタブー
教育界のタブー(効率優先、マニュアル指導こそ正義)
理想であるはずのアクティブラーニングの塾が存在しないという事実についてはお伝えしましたが、どうして存在しないのかについてもう少し具体的に見ていきましょう。
- 大手進学塾では中学受験合格だけに特化した「解答方法と知識を多量に暗記させる詰め込み方式」が完成されています。
- 公立小学校でははみ出ることを許されない「底上げのための一律な一斉授業と協調性重視の授業」が完成されています。
続いて、どうしてこのような教育システムになっているのか?を紐解いてみます。その鍵は「教育の効率」と「品質安定」の視点です。
- 限られたコストで最大限の結果を出すことが教育の効率です。その行き着く先は…マニュアル指導です。
- 全国規模を維持するには教育品質の安定が必要。先生ではなくシステム優先。その行き着く先は…マニュアル指導です。
- →税金を原資に日本全国どこでも公正公平に同水準の教育が受けられるようにすることが公教育の存在意義です。その行き着く先は…マニュアル指導です。
- →大規模な塾を維持し利益を上げるためには形として見え広告効果の高い「合格数」という結果を出しつつ、効率的な授業でコストを下げることが必要です。その行き着く先は…マニュアル指導です。
- →利用者が増えるほど利益の出るタブレット教材や動画配信や通信教育は「分かりやすさ」が会員数の獲得と脱会抑止になります。「分かりやすい」=「解答方法の丁寧な説明」となり思考力を奪います。その行き着く先は…平均を狙った一律な指導、マニュアル指導です。
お分かり頂けたでしょうか?
どの子にも同じ内容、同じ順序、同じ解説・・・レベルや進捗は違えど、全て「マニュアル的で一律な指導・教育方法」がなされているんですね。
個別に考える時間を与えてしまっては、進捗がバラバラになり、指導サポートも個別になり時間がかかります。(非効率、高コスト)先手を打って問題の解き方に関する分かり易い説明をしてしまい、パターン暗記させてしまった方が効率が良いんです。
これが、大人の都合(ビジネス)による「教育界の正解」です。当然これは一人一人の個性や才能を磨く教育とは真逆のものです。
中学受験のタブー(先取り教育はドーピング!?)
中学受験に関するご相談、特に先取り教育のメリット・デメリットについてのご相談が多いので、もう少しご説明しておきたいと思います。
実は、中学受験の世界では小さなコップ(子どものキャパ)に大量の水をどんどん注いでも溢れる子が出てくるのは分かっているのです。個別にコップを大きくしてあげる指導が必要で最良なことは分かっているのです。一律の教育が最高・最適だと考えているわけではないのです。
「効率(利益)」と「結果(満足)」と「安定」の妥協点をさぐった結果、「手間暇のかかる自分で考えさせ思考力を伸ばす指導」を捨て「効率的に暗記させるマニュアル指導」を選択しているだけなのです。
※これは教育産業に限らず、大手ファストフード店や携帯電話ショップのマニュアル接客対応、スポーツスクールのグループレッスンなど、ビジネスとして成立させるには有効であることは間違いありません。不満があることは認識しつつも利益と満足との最良のバランスを狙っているのです。
このような理由で、子どもの理解や興味具合は無視されたまま、多量の練習問題でパターンを暗記をガンガンさせられる訳ですから、ついて行けなくなる子・伸び悩む子・バーンアウトする子は確実に出てきます。
そこで登場するのが、「先取り教育こそ正義」という恐ろしい風潮ですね。細分化された多量の演習問題をこなし切って落ちこぼれないように「早期に着手させて、時間でカバーしよう!」という作戦です。
そもそも…受験で出題される可能性のある全てのパターンの「知識と解き方」を暗記しようとするから時間・期間が足りなく感じるわけです。
本質的な思考力をコツコツと磨いて、初見でも解ける応用力(道筋を立てる力)、四方八方につながる知識を得ることを目指すのであれば、塾の勉強に費やす時間はもっともっと少なくて済むはずです。(※実証済み)
その代わり、幼少期から生き物に触れたり、読書したり、スポーツ・釣り・アウトドアを楽しんだり、旅行に行ったり、音楽や芸術を楽しんだり、沢山の会話をしたり、そういう日常の経験の全てから学びを得ておくことが大切で、それが受験勉強においても最高の武器になるのです。(※五感で感じたことから、なぜ?どうして?と考える始めるアクティブラーニングです。)
情緒や感性を育む大切な幼少期の大半を暗記中心の受験勉強だけに注ぎ込むのはもったいないと思います。
先取り教育がもたらす将来のリスク
ちょっと無理矢理な例にはなりますが、将来お子さんが地球温暖化と植物の関係について明らかにし解決策を見出すという役割(仕事)を任されたとします。
これはつまり、その道の第一人者になる必要があるということです。
まだ誰も知らない世界やメカニズムの発見のために、教わるのではなく、自分が先頭に立って、自力で進んでいかねばなりません。(※研究とはそういう世界)
自分でテーマを設定する力、その難題を粘り強く解決していく探究プロセス自体を楽しむという力、つまり「主体性」が前提となります。
ところが、分かり易い解説中心の勉強、つまり自分で考えること(思考)をショートカットした先取り教育にどっぷり浸かっていると、教えてくれる先生がいなくなると、何をして良いか分からなくなってしまいます。(※指示待ち)
社会に出てからそういう力をつければ良いという考え方もあるかもしれませんが、一度染み付いた学習習慣や成功体験を払拭するのは想像以上に難しいものです。(※その昔、スペンサージョン(著)の「チーズはどこへ消えた?」がベストセラーにもなりましたね。)
このようにして挫折、絶望してしまうリスクが高まるのです。
こうした理由もあって、私たち「のびてく」では妥協せず、子どもを主体とした教育を実現させようと頑張っています。
【よくある事例】
光合成の仕組みなど植物に関する問題がスラスラ解けても、植物に触った経験もなく、本当の育て方も知らず、そもそもどこに生えているのかも知らない。つまり、植物に全く興味がない…。子どもたちの好奇心や感性が全く育たない教育をやり続ける。それに染まる。こんな事が現実に起こっています。
アクティブラーニングで指導できる先生がいない
子どもたちへの個別指導・能力開発はコンサルティング
先でご説明した効率・利益重視の教育の視点とは別の問題として、そもそも教育界には子どもたちを個別に伸ばしてあげることができる先生が本当に少ないのです。
教育者にとって手間暇がかかるだけでなく、指導能力という側面から見て非常に難しいことだからです。
アクティブラーニングやコーチングの指導で必要なポイントについて具体的に列挙してみましょう。
- 才能を開花させるためには、解説して教えるのではなく、自分で考えられるように「引き出す・促す・気付かせる」に近いものです。
- 分からないことを教える場面も出てきますが、お子さんの成長によってティーチングからコーチング中心へと移行させていくことが必要です。
- メンタル面のサポートも不可欠で、単に褒めれば良い、叱れば良いといった単純なものではなく、やり過ぎ、やらなさ過ぎ、厳し過ぎ、甘やかし過ぎなど、各種調整や対応力が求められもします。
- 本人の好奇心、やる気、意欲、意志といった心を育てることを優先的に取り組む必要があります。
- 何より、お子さんの内面を理解する洞察力が重要です。成長の壁となっている「ボトルネック(詰まっている部分)」を見抜き、それを自覚させ、乗り越えるように導いてあげることが最大のポイントです。
- 対処療法的な詰め込み指導をせず、根本原因に対するアプローチをすることが大切です。(※急がば回れ)
このように、子どもたちの個性や才能や意欲を開花させ伸ばすこと、これは先生というよりはコンサルティング(≒問題解決)を行うコーチに近いものです。
例えば、風邪で咳き込んでいる生徒がいたとします。
「咳」という目に見える現象に対して「咳止め薬」を処方するのは一般的なマニュアル指導にあたります。
一方、コンサルティングでは「咳」が出るようになった原因について、「そもそもどうして咳が出るんだろうか?」と疑いから入って行きます。そして、「睡眠不足やオーバーワーク」が積み重なっていることを推測し、その奥には「頑張っていないと取り残されそうで不安な気持ちがある。」といった根本原因を探しあてます。その気持ちのケアを行い、本当に必要な解決策をともに見つけ出し、本人に自覚してもらいます。そして、それを見守りアドバイスも行います。
このように、根本原因を探し当てようと遡って考える思考を「クリティカルシンキング(批判的思考)」と呼びます。
一般的な学校や塾の先生とは必要な能力が全く違ってくるのです。
クリティカルシンキングとは
【クリティカルシンキング】
主観や先入観に捕らわれずに、問題の根本原因を探し当てようと遡って考え、物事の本質を見抜く力や考え方のこと。
このクリティカルシンキングは机上の勉強では身に付けることはできず、シビアな状況下での実務・社会経験が必要と言われています。
単に
- 「塾の先生として生徒を受験で合格させました。」
- 「親として子を最難関校に合格させました。」
- 「小学校で20年教師をやっていました。」
- 「自分自身が受験を経験して最難関校に進み、東大や京大に合格しました。」
といったような経験をするだけでは身につけることは難しい能力だと思います。
混沌としたカオスの中で、自分の手で、自分の判断で、苦労して、楽しんで、学んで行った実体験が必要です。数多くの挑戦をし、数多くの失敗といくつかの成功を経験していることが必要です。※海外の名門大学院MBAコース(Master of Business Administration/経営管理修士)では実際のシビアな企業案件で研究を進めるのはそのため。
また、そういった経験があるからこそ、「将来こういう考え方が役に立つよ。」と心からアドバイス(指導)してあげることが出来るのだと思います。
学校や塾以外での実務経験、社会経験が豊富な先生というのは非常に珍しく、めったにいらっしゃらないというのが現状ではないでしょうか。
ボトルネックとは
このクリティカルシンキングをどのように活用するのかについて、もう少しお話をします。
個性や才能を開花させるコーチング = コンサルティング = 成長を止めていいるボトルネック(根本原因)を見抜き、解消すること
【ボトルネックとは】
飲料瓶を逆さまにして内容物を排出するまでの時間を考えた時、瓶の胴部分がいくら太くても時間には関係なく、結局は細く絞られた首の部分を通過できる流量によって全体の排出完了までの時間が決まってしまうという構造を表した言葉。
これを教育や学習に当てはめた時、人の成長の低下や阻害につながる要因や原因のことをボトルネックと呼ぶ。「感じ方や考え方の癖」「思い込みによる着眼点のズレ」など目に見えないものであることが多い。
【ボトルネックの一例】
理解力があり、解説授業や読書などからの知識習得が得意である。その反面、事実を知っただけで「分かったつもり」になり易く、探究の出発点となる疑問を膨らませる力が欠如している。これが「ボトルネック」となってしまい、複雑な論理構造やメカニズムを捉えきれないといった課題が出てくるようになる。
繰り返しになりますが、この見えない生徒のボトルネックを洞察する/見抜くには、批判的思考(クリティカルシンキング)が欠かせないということです。
起業家&コンサルタントでもあるnobi先生
手前味噌ながら、先ほどのようなコンサルティング的な指導能力が自分(nobi)には備わっていると思っています。(※そうでないと「のびてく」を作ったりしない。)
幼少期より、自分自身が多くの過ち・失敗・苦労をしてきたからこそ、「本当に必要なもの。それを身につける過程。」が見えてきたんだと思っています。(※しくじり先生?)
また、シビアな環境下で実務経験を積んだからこそ、クリティカルシンキングを用いたボトルネックを見抜く力が磨かれ、コンサルティング的なコーチングができるようになり、アクティブラーニングで子どもたちを指導することができるようになったんだと思っています。
【経歴】
- 自分自身、動機のある勉強と惰性の勉強の両方を経験(※中学受験、高校受験、大学受験)
- 塾講師、家庭教師の経験
- ITスクールの講師、運営、エンジニア育成の経験
- IT企業での新規事業の立ち上げと部門マネジメント(※部下育成)
- 人材育成を特徴とした経営コンサルティングを起業
- 子育てを経験(※世の中では型破りになる「スローラーニング」を実践)
- スローラーニング塾のびてくを起塾
これまでのコンサルティングや指導から感じることを3つお伝えします。
- 人が夢や目的を持ち、やる気になると一番成長する
- やる気のある人には自由度を与えると成長する
- 見守られている安心が挑戦を生み、失敗から学び、乗り越えることで自信が生まれる
指導者は自分の学んできた方法が物差し(基準やバイアス)になってしまうことが良くあります。その物差しを常識として、子どもたちに指導してしまうことも良くあります。上記3点のようなこと、これを実際に経験していないと、分かりやすい解説授業(詰め込み暗記)よりもアクティブラーニングの方が楽しい&成績上がるなんて信じられないのです。指導者自身が幼少期からそういう風に学んでこなかった、自分の頭で考えてこなかったから、頭が(物差し)が切り替わらないのです。マニュアル指導が正解とされている日本において、多くの子どもたちの個性や才能が潰されていると強く感じています。
自分の頭で道筋を立てるという正しい学習プロセスを踏んでこなかった人が指導者になった際の問題点について、「知の巨星:橋本治さん」も著書の中でこのように仰っています。
「わかる」ばかりを性急に求める人は、地図を見ない人である。 常にガイドを求めて、「ゴールまで連れて行け」と命令する人である。その人の目的は、ただゴールにたどり着くことだけだから、いくらゴールにたどりついても、途中の道筋が全くわからない。だから、人に地図を書いて、自分の通った道筋を教えることができない。「わかった」の数ばかり集めて、しかしその実「なんにもわからない」のままでいるのは、このような人である。
橋本治 「わからない」という方法より引用
「子どもたちの個性と才能を開花させる」、指導者はその役目を決して忘れてはいけないと思っています。
自分が心底良いと思えるから人に勧められる
その昔、新卒入社した企業でITスクールの講師をしていた時、上司からは「スクールでは講師自身が営業(相談対応と契約)をすべきだ。」という指導を受けていました。
これを実践したからこそ学べたことがあります。
- 営業とは売り込むことではない。提供する商品やサービスが相手にとって価格同等かそれ以上の価値があるかを判断することである。
- 講師として自信をもって勧められるように、商品やサービスを磨き充実させる。そのことに最大の責任と覚悟を持つべきである。
サービス提供後、最後に「ありがとう」になった時の安堵感は今でも忘れられません。(※嬉しさや達成感はずっと先のことでした。)
そして、この感覚は「のびてく」を立ち上げた今でも同様のものとして続いています。お子様の人生に影響を与えるのです。ものすごく責任を感じています。先生として生徒を背負う覚悟が必要だと思っています。
のびてくの授業料は月額24,000円(税込26,400円)ですが、自信を持ってお勧めすることができるものです。責任と覚悟を持てるということです。一般的な学習教材や学習塾よりは少し高額かもしれませんが、これは個性と才能を開花させるための我々のサービスの価値であり、お子の成長の価値であり、お子様の将来への投資だと思っています。
昨今、付加価値(個性)を身につけましょうと言われることが増えていますが、付加価値とは「人と違う」ということ。偏差値や高いIQ自体が付加価値ではありません。多くの子どもたちが受動的な学習で育って行く中、しっかりと自分の頭で考え抜く主体的な学習で才能を伸ばして行くことは大きな付加価値につながるはずです。
お子様が自分の存在価値を認め、自信を持ち、いつも笑顔でいられるよう全力でサポートしていく塾でありたい、そう思っています。
スローラーニング塾のびてく 塾長 高本敏治
今回、お伝えしたいことが多くあったため、非常に長く読み辛い文章となってしまいました。
長く書いてしまった割には「具体例や前提となる考え方」「本来補足すべき内容」など、いくつも割愛しているため、
- 分かりやすい解説授業がなぜ良くなのか?
- どうして良い先生がいないの?
- 先取り教育は本当に危険なのか?
- アクティブラーニングやボトルネックやクリティカルシンキングとは何なのか?
このあたりについてまだまだスッキリしないことがあるかもしれません。
また、どんな子でも伸びるものなのか、考える教育で最難関合格なんて本当にできるのか、などのご相談もあるかもしれません。
当塾の無料相談は堅苦しいものではなく、コーヒー片手に互いにフランクに話をする「子育ての悩み相談室」のような場になっています。
上記コラムの内容を含めて、教育的なご相談などがありましたら、どうぞお気軽にオンライン無料相談をご利用くださいませ。