思考力を鍛える、思考力を伸ばす、など、教材や雑誌、ネットでよく見かけるようになりました。見ていると、思考力をどう定義してるのだろう?とか、どこまでの成長が想定されているのだろう?とかいろいろ考え込んでしまいます。「ところで、思考力って何?」と聞かれたらなんと答えるかなと思いながら、頭でぐるぐる考えてるうちに今回のコラムとなりました。
今の小学生が生きていく社会
なぜ今、大学入試改革(思考力を重視)をしたり、学習指導要領を改訂したりしているのか。なぜ今、これほどまでに知識の暗記ではなく、思考力が大切だと声高に言われているのか。
文科省では、これから子ども達が生きていく社会を「変化の激しい予測不能な社会」としています。この社会について少し具体的に考えてみると、
- 「今まで好調だったモノが新しいモノの台頭により急に無用になってしまう」というようなパラダイムシフトが早いサイクルでやってくるだろうという社会。
- 機械化やAIにより今まで人間が行ってきた仕事は減っていき、目指していた仕事や花形の仕事がAIでもできてしまう可能性があるという社会。
という感じでしょうか。
こういった時代の流れを踏まえて必然的に必要とされる能力を予測してみると、「今ある条件でものを考える」「本質を捉える」「自分で考え自分で判断する」という能力が浮かび上がってきます。
そのような時代に子ども達は生きていく事になります。
どんな時代でも必要な思考力
先ほどの「今ある条件でものを考える」「本質を捉える」「自分で考え自分で判断する」能力とは、いわゆるクリティカルシンキングのことを指しています。
ここで、「(これまでの時代にはあまり必要ではなかったけれど)これから時代には特に必要な能力なのか?」と、ふと気になってしまいました。
例えば、現在だって多くの情報が行き交ってます。その一部の情報を鵜呑みにするという行為は、どうでしょう?それは思考しない(自分で考えない)という危険な行為と言えますよね。私たちが生きてきた(生きている)時代だって、常識を疑い自分で考えるといった思考力(≒クリティカルシンキング)は必要なんですよね。そう思うと、これまで以上に重要になってくることは間違いないとしても、どんな時代においても重要な能力の一つだと言えるのではないでしょうか。
クリティカルシンキングの身につけ方
ということで、子どもが自分で思考力を身につけていくにはどうしたら良いでしょうか?
いきなり、自分で考えなさい、本質を見抜きなさい、と言っても経験は浅く、考える道筋も分からないままの状態に置かれてしまうと、子どもは困ってしまいますよね。
では、どう対応して行ってあげると良いのでしょうか。
例えば習い事など興味のある事を突き進めて行った時に「わからない」「できない」と、進まない状態になったときの対応がとても重要だと思っています。答えを教えるのではなく、答えに導くのでもなく、「詰まっている部分を一緒に理解し解いてあげる事」が重要です。そうすると子どもは、また自分で考え進むことができます。これが積み重なって思考力がついていくのです。
思考力をどのように身につけていくのかは、以下のコンテンツを参考にしてみてください。
思考力(クリティカルシンキング)を身につけるためには段階的に、そして長期的に子どもを導いてあげる事が必要になってきます。
育つ力がある子どもたち
色々な子どもたちをみていると、「子どもって本当にすごいな」と思います。「吸収がはやいなあ」と。これは子ども特有の素直さが可能にしているのでしょうか。時間をかけて身につける力かもしれませんが、階段を上るように一歩一歩きちんと歩いていけばしっかり身につけてくれるものなんだなあ、と思います。それを一段飛ばしとか、いきなり上の段から始めてしまうと、身につかないどころか、最初から一歩一歩進む事に抵抗を感じるようになってしまうかもしれません。ですので、幼少期の素直な時期にその子に合わせて一歩一歩身につけていく事が一番の早道だと感じています。
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