自然科学

「数」と「量」の仕組みを体感的に理解しよう!

今では馴染みが薄くなりつつありますが、尺貫法をご存知でしょうか?

尺貫法とは長さの基準を尺とし、質量の基準を貫とする日本古来の度量衡システムの総称です。

お米を例にとってみると、

  • 1人が1年間食べる米の量 = 1石
  • 1反の田んぼで収穫できる米の量 = 1石

という、何とも分かりやすい関係があるのです。(※当時の基準ですが。)

メートル法になると単位がもつ「意味」は薄れてしまいますが、数と量の関係とは面白いものです。

  • 「数(すう)」は1 つ 2 つと数えられるものを抽象化した概念である。
  • 「量(りょう)」は大小・多少・長短・高低・重軽 などの比較が可能なものを抽象化した概念である。

数と量について、体感的にしくみを理解すれば、自然と使いこなせるようになっていきます。

 

観察テーマ

観察のテーマ
備考
身近なところで使われている「数」を探す(※単位のないもの)
3個
身近なところで使われている「単位」を探す(※数とセットで)
10個
日本独自の単位を探す
建築と農業
イギリスやアメリカの単位を探す
重さ、長さ、距離、液体量

探究学習の進めかた・手順

1

「単位」のもつ意味について考える。

2

比較の視点から基準値と倍数(係数)の関係について考える。

3

「整数、少数、分数」の特徴や関係について考える。

4

足し算、引き算、掛け算、割り算、それぞれどういう意味があるのかを考える。

深め・広げ・つなげる スローラーニングのポイント

1

割合、比、倍数を理解し、状況に合わせて自由自在に使いこなす。

2

数の計算の意味を理解し、最適な計算方法を導き出す。

3

単位の意味を理解し、換算方法などを導き出す。

4

=(※イコール)の持つ意味を理解し、計算方法を導き出す。

5

( )(※かっこ)の持つ意味を理解し、計算方法を導き出す。

6

素因数分解の観点から、素数と約数と倍数を理解する。

7

オリジナルの単位や係数をつくってみる。(※MLBを参考にすると良い)

ひとこと

計算力を重視しがちな日本ですが、計算力よりも「数」や「量」がもつ本来の概念を理解することの方が大切です。

概念さえ正しく理解していれば、数学にとどまらず物理や化学の世界に踏み込んでも大いに役立つことは間違いありません。

意味もわからず覚えるものではなく、便利だから使われている、必要だから定義されているという視点から学びをスタートさせ、深掘りしていって欲しいと思います。

★teku先生のポスト

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