子供って親の思い通りにはならないし、子育てはなかなか難しものですよね。
特に「親として、いま自分がしていることは正解なのか?」という不安めいたものが拭い去れないことはありませんか?
今回は「うん。これで良いんだ。」と親として自信を持って子供たちと接するためのコツのようなものについて書いてみたいと思います。
1.親の不安の正体
子供たちは当たり前のように学校に通い、当たり前のように宿題をしています。
そして、ルールを破れば叱られます。守れば褒められるか、または叱られないので、「これで良し。」と学習していきます。
ここで注意したいのは「これで良し。」の「これ」とは「ルールを守ったこと」であるということです。
決められたルールを守ることは社会性、協調性があり良いことですが、一方で「受け身(受動的)」という要素も含んでいます。
素直に決められたルールをきちんと守ってくれれば手がかからなくて子育てとしては「順調」なはずです。
ところが、親には「もっと主体的になって、自立して、創造的になって欲しい。」というような欲があるので、問題が起こっていなくてもどこか不安で自信が持てないのでしょう。
時には習い事を増やしてみたりもしますが、それでも期待される効果が感じられず、その不安は払拭できないことも多いと聞きます。
それでは、解決方法やコツに向かって話を進めて行きます。
2.「目に見えるもの」と「見えないもの」
目に見えるもと見えないもの、これを日々の子育てにざっと当てはめて考えてみると、どうなるでしょうか。
よく見える: 習慣や行動
見える: ルール
見えない: 価値観や目的
普段、子供達は幼稚園や保育園、小学校や中学校へ通学していることでしょう。
また、何かしらの習い事を行なっていることも多いでしょう。
これらは「日々の習慣や行動」としてしっかり見ることができますね。
また、その行動において「友達と仲良くするとか、宿題を忘れずにするとか、一生懸命に練習をするとかの「ルール」が暗黙または明確に存在しているのではないでしょうか。これも一応は見えるうちに入りますね。
さらに、その背後には「価値観」なんかがあるはずですが、これは目には見えませんね。
日常はこんな多重構造で表現することができます。
3.不安を払拭し、自信を持つコツ
さて、コツをお伝えするにあたって、2つほど、前提となる考え方があります。
- 「人は思った以上に習慣やルールに依存して過ごしている。」
- 「人は評価(フィードバック)にも大きな影響を受け、行動や考え方の基準としている。」
この2つです。
もしも子供が習慣やルールを破った時には、親は自信をもって注意できますね。
では子供が習慣やルールを守っている時にはどうですか?ここでも自信をもって褒められますか?それとも当たり前なので特には褒めることはしませんか?
いずれにしても、目に見る行動(結果、ルール)に対して褒めたり叱ったりの評価(フィードバック)を与えても、それ(ルールを守る)以上になりません。
必要なのは、
- 何故それをしようと思ったのか?
- やりながらどんなことを考えたのか?
- 分からない、知らないことは良いことだよ。
- どんな苦労があったのか?
- 何か工夫してみたことがあるのか?
といったような「問い掛け」と「共有」です。※尋問ではありませんので問い詰めないように(笑)
そんな会話の中から、子供自身がこだわっている部分に気づいてあげましょう。ヒントや手本が欲しいようなら、少し導いてあげましょう。
そして、ルールや習慣を守ったことではなく、そこに至った気持ち(プロセス)を理解し、褒めてあげましょう。
そして、その心(気持ちや考え)の『小さな変化』に大注目していきましょう!
他人との比較ではなく、昨日の我が子と今日の我が子の比較をすれば良いのです。
4.最後に
目に見えるものと見えないものについては常に注意する必要があります。
人は便利なものに流れる傾向が強いことは肌感覚でも十分に理解できると思います。
それと同じで、「分かりにくいもの」よりも「分かりやすいもの」へと飛びつく傾向もあります。
失敗したくない、リスクを回避したいから実績や保証を求める。学歴や資格や肩書きを重視する。
目に見えないものを自分の頭で理解して信じるのはやはり大変なことなのです。
昨今の教育においても、目に見える認知能力(学力)よりも、目に見えない非認知能力が大切だと言われるようになったのは、それだけ目に見える学力が重視されてしまっているという強い危機感が時代の背景にあるからです。
ビジネスにおいても、目に見える有形資産(タンジブルアセット)ではなく、無形資産(インタンジブルアセット)が重要だと言われるのも同様の理由からです。
時代とともに、社会のあり方、企業のあり方、教育のあり方も見直されつつあります。
私たち親も、子育てのあり方を見直す良い機会だと思います。