今回は算数面積図の頻出の基本問題です。構造的に整理するところがポイントです。
問題(算数文章題、面積図の頻出問題)
赤、黒2種類の箱が全部で40箱あります。この箱の中に、ある数のボールを入れるのに、赤の箱に6個ずつ、黒の箱に5個ずつ入れると、ボールが35個残ります。そこで赤の箱全部に8個ずつ入れてから黒の箱に6個ずと入れると、6個ずつ入った箱が全部で何箱かできて、ボールが1個も入らない黒の箱が5箱ありました。このとき、ボールは全部で何個ありますか。
学習noteの進め方
まずは目安時間の間、「クリティカルシンキングのトレーニング手順」に沿って考えてください。慣れないかもしれませんが、いつも通りには解かず、必ず思考の手順を守ってください。(※時間に余裕があれば目安時間で区切らず、1時間程度考え続けてもOKです。ただし、完全にお手上げ状態で何も思いつかないのであれば無闇に延長せず、そこで切り上げてください。)
その後(解き終えたら、または目安時間が経過したら)、下にスクロールして解説(思考の例)をじっくり読んでください。
ここでは正解か不正解かが重要なのではなく、問題文をどのように紐解いていくかの目の付けどころと思考の道順が重要であって、そこ(クリティカルシンキング)を鍛えることが今回の目的です。
クリティカルシンキングを習得すれば初見の難問に対応できるようになります。頑張りましょう!
クリティカルシンキングのトレーニング手順(批判的思考)
- 1
目的は何かを常に意識する。
(何を問われているのか?どんな理解を試されているのか?など題意を見抜く。)- 2
前提条件、置かれた環境に合わせて考える。
(思い込みや思考の偏りを排除し、客観的に情報を整理•分析する。)- 3
目的を踏まえたうえで、「考える枠組み」を考える。
(どんな項目について考えればゴールに到着するかの見当をつける。)- 4
構造的にアプローチする。
(抜け•漏れ•ダブりを防ぎ、原因と結果の関係に注目し、理屈の構造を明らかにする。)- 5
問い続ける。
(出た結論に対して「なぜ?」「だから?」「本当に?」と問い続けて見落としや新たな発見につなげる。)
クリティカルシンキングの例(解説)
1.目的は何かを常に意識する。
(何を問われているのか?どんな理解を試されているのか?など題意を見抜く。)
- ボールの合計の個数は変わらない。
- 変わったのは箱へ入れる個数(入れ方)だけ。
- 入れ方が変わった結果、ボールの残り方が変わった。ただし、合計の個数は変わらない。
このように、いきなり解き始めるのではなく、まずは客観的に題意の理解に集中することが大切です。
2.前提条件、置かれた環境に合わせて考える。
(思い込みや思考の偏りを排除し、客観的に情報を整理•分析する。)
- 合計の個数が変わらないので、そういう場合は面積図で構造化すると分かり易いはず。
【知識】面積図 = 縦 × 横 で表現するので、単価×個数、濃度×全量などの場面で把握しやすい。
ここでは思い込を排除し、事実だけを書き入れて整理することが大切です。
3.目的を踏まえたうえで、「考える枠組み」を考える。
(どんな項目について考えればゴールに到着するかの見当をつける。)
- ボールの残り方の理解にだけ注意すれば、解けるはず!
4.構造的にアプローチする。
(抜け•漏れ•ダブりを防ぎ、原因と結果の関係に注目し、理屈の構造を明らかにする。)
- はじめは35個残っていた。
- 入れ方を変えることで、6個入りの黒の箱が5箱分足りなくなった。
- つまり、増減で考えると(35)+(6×5)= 65個分 変化したと言える。
- まとめると上図のようになる。
- つまり、赤の箱は(65-40)÷1=25箱とわかり、黒の箱は40-25=15箱となる。
- ボールの数は6×25 + 5×15 + 35 = 260個
5.問い続ける。
(出た結論に対して「なぜ?」「だから?」「本当に?」と問い続けて見落としや新たな発見につなげる。)
- 8×25 + 6×(15-5)=260
- 検算してもOK。
解答
上記の解説より、
- 増減で考えると(35)+(6×5)= 65個分 変化したと言える。
- つまり、赤の箱は(65-40)÷1=25箱とわかり、黒の箱は40-25=15箱となる。
- ボールの数は6×25 + 5×15 + 35 = 260個
以上。
解答に必要となる前提知識
- 必要な前提知識
- 難易度
- 面積図の活用方法
- ★★☆☆☆
この問題から学んだこと
- 全体の総量が変わらないとき、面積図で全体を構造的に把握すると分かり易い。
- 変化量を「あまり35個」と「不足30個」の合計65個と捉えられるかがポイント。