中学受験を乗り切るには体力が必要だと分かってはいるけど、スポーツを習ったりランニングしたりする時間(余裕)もなく、どうしたら良いか?という相談を頂くことがあります。
本来なら小学校の休み時間に校庭で遊びまわる(野球、サッカー、ドッジボール、おにごっごなど)だけで十分なのですが、コロナ禍ではそうもいかないことが多いかもしれません。
そんな時には5分でできる簡単な筋トレ(室内)がオススメです!
①手軽に体力を鍛える方法 = 筋トレ
さて、体力作り•体調管理•受験勉強に筋トレが効果的な理由ですが、それは筋トレによって脳内に各種ホルモンが分泌されるから。
まずは分泌されるホルモンの種類と効果を簡単に見てみましょう。
筋トレで分泌されるホルモンの種類と効果
- 成長ホルモン(疲労回復、免疫力向上、イライラ解消など)
- テストステロン(やる気の向上、精神安定など)
- セロトニン(精神安定、ストレス解消、快眠、思考力向上など)
- ドーパミン(幸福感増幅、モチベーションの向上など)
- ノルアドレナリン(集中力の向上、思考力の向上など)
- エンドルフィン(集中力の向上、記憶力の向上、幸福感増幅など)
ご覧になっていかがですか?良いことばかりですね。やっぱり体を動かすということは生きる上で大切なことなんですね。
軽い筋トレが継続できたとすると体力向上はもちろんのこと、次のような良い変化が起こってきます。
筋トレと健康と学力の関係
- 食欲がでる。
→脳や体全体の疲労回復、成長につながります。 - 筋肉量が増える。
→基礎代謝、血流が上がる。新陳代謝が促され疲労物質が排除され、栄養が体全体に行き渡る。 - 精神が安定する。
→各種ホルモンの影響で気持ちがスッキリし、打たれ強さ•意欲•集中力が出来てきます。 - 免疫力が高まる。
→栄養吸収、睡眠、精神が改善されるので健康で丈夫な体になり、免疫力も向上する。 - 継続力が上がる。
→勉強以上にダイレクトに反応(効果)が感じられるので努力が楽しくなる。
このように筋トレが直接的に学力を上げるわけではありませんが、良い精神状態•良い健康状態で勉強することを支える訳ですから、結果として学力向上につながる可能性が高いといえるのではないでしょうか。
勉強とスポーツを比較してみる
ところで、塾から帰ったお子さんの「ふくらはぎ」をマッサージしてあげたことはありますか?
全員にあてはまるかどうかは分かりませんが、我が子は凄くむくんでいることが多かったです。長時間座りっぱなしで勉強しているので、精神的だけでなく、肉体的にも多くの負荷がかかっているんですね。
スポーツの観点から言えば、栄養状態が悪く休息がとれていないと集中力が低下してしまい、体のコントロールが効かず大怪我をする可能性が高まるんです。
最近ではMLBのダルビッシュ投手や大谷選手、テニスでは錦織選手なども休息を取るのもトレーニングのひとつだと言っていますね。
「栄養」「休養」「トレーニング」をうまく循環させることが大事だと。
これは勉強にも当てはまることで、悪い状態でいくら練習(勉強)しても悪影響にしかならない場合もあるので、食べきれないほど詰め込むよりも、上手く吸収できているかどうかの確認に注意を向けるのが良いですね。
②5分でできる筋トレのメニュー
成長期の子供たちなので、ハードな筋トレはさせるべきではありません。今回の目的からいってもライトな筋トレがベストです。(※やりすぎは逆効果ですので注意しましょう。)
おすすめの筋トレメニュー
1. 腕立て伏せ
2. プランク(体幹)
3. スクワット
何の目新しさもありませんが、これら自重トレーニングが基本となります。ダンベルや筋トレマシンも必要ありません。
騒音や振動などが迷惑にならない住環境であれば、
- 反復横跳び
- 垂直跳び
- 立ち幅跳び
- バーピー(Burpee Training)
などの動きのあるものを取り入れるのも良いと思います。
筋トレのポイント1:フォームにこだわる
例えば「腕立て伏せ」という有名なメニューですが、これが案外奥が深いのです。手のひらの向き、腕を開く幅、体のライン、上げ下げのスピード•••etc これらが少し変わるだけでも、そのトレーニングの効果の出方が違ってきます。
今回は受験を乗り切る体力作りや勉強への好影響が目的なので、運動能力の向上につなげる必要はありません。しかし、自分の思っている感覚と実際の体の動きにはギャップがあり、それを埋めるには脳と神経がうまくリンクする必要があります。つまり、フォームに意識を向けることで脳が効果的に刺激されホルモンの分泌も増えるのです。
Youtubeなどを検索すれば沢山トレーニングの解説動画が出てきます。(※有名トップアスリートの動画も無料で見られる良い時代です!)
最初はお子さんと一緒になって探してみてください。ぱっと与えるよりも、自分で探す、比べる、選ぶといたプロセスも大切なので楽しんでワイワイ探してくださいね。
筋トレのポイント2:トレーニングの強度や量
次に強度と量ですが、まずはこれくらいで十分です。
- 腕立て伏せ:5回(できなければ膝をついてOK。)
- プランク:20秒(時間よりもフォームを重視して。5秒でもOK。)
- スクワット:10回(回数よりもフォームを重視して。難しい種目なので自分の筋肉と対話してね。)
何かスポーツ経験あったりして余裕があるなら増やしても良いですが、無理しなくても良いです。
基準は「ちょっと辛い、もう無理かも。」と感じるラインで、じんわり汗ばむ程度です。
あまりにも楽すぎるとホルモンの分泌も少なく爽快感も得られませんので、ほんの少しキツく感じるラインを狙ってみてください。
筋トレのポイント3:トレーニングの頻度
続いて頻度ですが、はじめは「1日にどれか1種目だけ」×「週に3日」を目標にはじめてみましょう。時間にすれば1日5分もかからないと思いますが、継続するのは決して簡単ではないと思います。受験勉強と並行してこれが継続できればすごく立派です!
体が慣れてくれば「1日に2種目」×「週に3日」。もっと慣れてくれば「1日に3種目」×「週に3日」まで持っていってください。個人差はありますが、これ以上やる必要はないと思います。
アクティブレスト(積極的休養)といって、ただゴロゴロと寝ているだけよりも軽く体を動かした方が疲労の回復が早まるのですが、これくらいの筋トレだとアクティブレストの水準なので受験生にはちょうど良いでしょう。
筋トレのポイント4:トレーニングのタイミング
筋トレをするタイミングですが、入浴前が最適かと思います。汗ばんでもお風呂で綺麗さっぱりできますし、お風呂で筋肉もほぐせて一石二鳥です。
また勉強や筋トレで活性化していた交感神経もお風呂でリラックスすることで落ち着き、副交換神経が優位になってくるはずです。
できれば湯冷まし程度に、入浴後のストレッチ(またはヨガ)をしてください。さらに眠りの質が良くなると思います。
③さいごに
最後のお願いとして、筋トレの導入は「お子さんが元気な時」にはじめて頂きたいのです。体や精神が弱っている時はまず休息が先決です。余裕が無い状態で負荷をかけると逆効果です。
また、劇的な効果や即効性があるようなものではありませんので、気長に習慣として位置付けて頂けたらと思います。
そして、筋トレは是非とも親子で一緒にやってみてください!
親のカッコ良い姿、不格好な姿、苦しむ姿を見て子供も楽しくなるでしょうし、なにより一緒にやることが嬉しいはずです。
笑うこと、ワイワイと楽しむことで脳内に多量のホルモンが分泌されますので、筋トレ以上に大切な時間かもしれませんね!